24時間営業から、時間帯営業に切り替わりつつあるマクドナルド。しかし、深夜営業を続けている店舗も多くあります。
私は、深夜営業開始当初から店長として24時間営業プロジェクトに携わってきました。今回は私の経験を元に、マクドナルドの深夜専門スタッフ、ナイトクルーについて説明していきます。
目次
ナイトの仕事
まずマクドナルドではアルバイトの事を「クルー」と呼びます。
今ではコンビニでも「クルー」という呼び名が定着しているので、それほど詳しく解説はしません。求人広告では「ナイトクルー募集!」と書かれていたら、「深夜専門の従業員募集」だと思っていただければ結構です。
ナイトスタッフの仕事は基本的に、接客と製造がメインです。しかし、お客さんの来店頻度が少ない為、日中には出来ない仕事が多く割り当てられます。日中に使用した機器の清掃やメンテナンスも深夜に行います。
メンテナンス系はほぼ厨房にいるクルーの仕事です。カウンターで接客をしているクルーはほとんどメンテナンス系をしません。ちょっと経験が長いクルーが行うシェイクマシンの洗浄位です。
毎日違う機会のメンテナンスが割り振られており、月曜日は肉を焼く機械のおこげを削ったり、火曜日にはポテトを揚げている油の入った機械を引っ張り出しておこげをとったりします。
おこげ取りが仕事なわけではありませんが、週に3回~4回はおこげ取りが待っています。
あと一番嫌な仕事は「グリスト清掃」と呼ばれる汚水タンクの清掃です。マクドナルドのお店の裏側のドア周辺から変な匂いがしませんか?その匂いがグリストです。洗浄した機械にこびりついた油等が科学変化を起こして異臭を発しています。
お店の中に汚水タンクがあるのですが、週に1回は汚水の流れてくる水槽を綺麗に掃除する必要があります。
その匂いと見た目は、まさに「吐しゃ物」です。
慣れてくると気にならなくなりますが、仕事帰りには必ずシャワーを浴びましょう。匂いがとれません。
ナイトで気を付けること
場所にもよりますが、日中よりもお客さんのガラが悪いです。
ドライブスルーのマイクでからかわれたり、長時間居座られたり、ナンパされたり…。日中ではまず起こらないような事が平気で起こります。
ふざけているのに付き合う必要はありませんが、あまり度が過ぎるようであれば、警察に連絡することもあります。
また、繁華街では酔っ払いも来ます。酔っ払いを入店禁止には出来ない為、酔っ払いの取り扱いには十分に気を付ける必要があります。私は喧嘩しましたね。数回。酔っぱらって入り口のガラスドアをぶち破った人もいましたね。
女性でも働きやすいか?
個人的にですが、メンタルが強くないと女子のナイトクルーは務まりません。
前述したお客さんのガラの悪さもそうですが、お店の機械の呼称による対応等はナイト時間帯の発生率がとても高いです。
特に、レジ関係は深夜12:00を過ぎると通信時間に入ったりすることがあり、5分程度使用できなくなる場合もあります。日中にはまず起きません。ナイトに対する仕打ちと言える位、機械のエラーが深夜に起こります。
私は深夜営業開始の頃から運営に携わっていますが、メンタルの弱い女子は基本的にナイト時間帯に入れませんでした。使う側としても、機械のエラーでメンタルがやられているクルーの対処の方がめんどくさいですからね。
また深夜は時間がありそうで、全然ありません。余裕もありません。なぜなら人数が少ないから!深夜営業で働くクルーの人数は最低でも3名です。1人ずつ1時間の休憩を取ります。勤務時間の内2時間は2名体制という事です。
3名の勤務体制の時には、先ほど挙げたメンテナンス系(おこげ取り)を行わなければならない為、スピードが重要になります。その為、どっしりと構える事が出来、職人のような手さばきを見せる、心臓に毛の生えたような女子が重宝されます。そんな人ばっかり採用してました。
日勤と比べた時給
基本的にマクドナルドの時給は安い事で有名です。
県にもよりますが、最低時給に毛が生えた程度の時給で馬車馬のように働かされます。深夜の場合、日本の労働基準法の乗っとって、基本時給の25%増しになります。(夜22時~翌朝5時迄)
日中の時給が900円であれば、1125円です。基本時給は3か月に一度見直されます。社員と同じ職位であるマネージャーに迄なれば、時給が200円~500円上がります。店舗でも変わりますが、マネージャーになったら、深夜勤務だけで生活していけるレベルの給料がもらえます。
深夜クルーの多くはダブルワーク(副業)の人が多いです。
日中は会社や工場等で働いて、深夜だけはマックでバイトするというタイプが多かったですね。22時から7時までの勤務でも時給1000円で、日給9500円(1250×6時間+1000円×2時間)にもなりますので、結構な稼ぎにはなります。
まとめ
深夜のマクドナルドはこれから全体的に縮小される可能性が報道されています。深夜にあまり集客が見込めないようなお店は、時間帯営業に切り替わる可能性が多いにあります。
しかし、100%24時間をやめるわけではありませんし、繁華街など集客が見込める店舗では人手不足です。深夜クルーに興味を持ったのであれば、是非応募してみてはいかがでしょうか?
マニュアルがしっかりしているので、仕事の覚えに関しては心配しなくても大丈夫です。一番重要なのは「鉄のハート」です。